トレンドから見たFileMakerシステムの未来とは?

FileMakerプラットフォームをお使いのユーザー企業様は、現在、SaaSやクラウドと呼ばれる新しい形態のビジネスプラットフォームに対して、期待と不安が入り混じったような状況でいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今後どのような考え方でFileMakerシステムと向き合っていけばいいのかを、マトリックスを使って情報を整理してみようとしたのが次の図です。

マトリックス1

縦軸は運用の軸で、オンプレミスすなわち自社でやるのか、それともクラウドに持って行くのかというもの。横軸は、開発を誰がやるのかを示します。自分が自分のために作るというのが左側で、右側は既製品をそのまま使おうという考え方です。

いま世界はSaaSと呼ばれる、クラウド上にあらかじめあるシステムを、そのまま、もしくはカスタマイズして使うという世界に、どんどん向かっているように思われます。典型的な例として、多くの大会社が今「働き方改革」と言って、SaaS上に「会社組織を再実装する」試みをしています。

少し脱線しますが、この働き方改革とは、経営サイドからすると非常に便利な言葉です。それは、コストカットをオブラートに包んで、何か前進しているようなムードを出す、そのような言葉だからです。

どのようなことが起きているかと言うと、まず「会議が減る」ということがあると思います。 Slackやビジネス版LINEなどで会議そのものを減らす。それからもう1つは、移動の時間を減らす。いわゆる直行直帰と言われるスタイルです。そういったものをSalesforceなどSaaSのシステムを使って、会社の制度を変えて、デジタルを中心に据えた組織の運用をしているというのが、日本中で起きつつあります。

こうした取り組みによって大幅なコストカットが可能になって、場合によってはオフィスがいらなくなったり、面積が減っていきます。例えば、「フリーアドレス」と言うととても先進的なことのように思えますが、これは要するにオフィスの削減と捉えることもできます。自分の机がなくなるということですから。

話を戻して、クラウド移行の流れが加速していることは皆さんご存知の通りですが、FileMakerプラットフォームは現代にデザインされたソフトウェアではなく、むしろ「自分で作って自分で使う」ためのものです。しかしながら、上記の図でいうと左下から右上の方に行く、だんだん右へ、だんだん上に行く、という流れがあるというのが、現状そして今後の流れであるのは間違いないと思います。

マトリックス2

最初のマトリックスに私たちの提供サービスをあてはめたのが上記の図です。システムのトレンドはなるべく右側に、なるべく上側へと行くわけですが、その文脈で私たちのサービスはFileMakerユーザーの方々に向けたトータルなものを提供しています。

ご自身で運用しているものを、そのまま運用だけを外注、というのが、皆さまが考えるべき第一歩になります。FMプランというマネージドホスティングのサービスです。エミックは、20年以上に渡って、このサービスを提供しています。

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次に、自分で作ったものをそのまま使いつつも、既製品もあわせて利用していきましょう、既にあるエコシステムも活用しましょう、という考えが背景にあるのが当社の開発サービス「FMPress」です。FileMakerとWordPressを結びつければ、WordPressベースのいろいろな出来合いのものを使えます。フォームも使える、会員制のWebサイトを作ることができる、ショッピングカートも使える、といったものです。これらをFileMakerベースの既存のシステムとつなぎ合わせることで、自分用に開発したものの良いところと既製品の良いところのいいとこ取りをしようと、いうのがFMPressという開発サービスのコアの考え方になります。

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それから一番右は「外注そのもの」と言っていいかもしれません。自前主義だったFileMaker的な考え方をガラッと変えて、今時のスタンダードなサービスに移行してしまおうというものです。その土台としては、私たちはkintoneを選択しています。柔軟でデータベースとしての性質が前面に出ているものであるため、FileMakerユーザーの方々に受け入れてもらいやすいだろうと判断しました。

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