ライセンス費用に子供料金がないのはなぜ?

FMPress開発サービスにおいては、「FileMaker Data API」というこれから何十年もFileMaker社がサポートするであろう仕組みを使って、ライトユーザーすなわちそれほど責任のある立場ではないスタッフが使う部分のライセンスを、現在のFileMakerソフトウェアライセンス体系からある意味「逃がす」ことによって、全体のライセンシングコストを最適化、もっとはっきり言えば非常に低くすることができるのではないかと考えています。

本題の前に、これまでのFileMakerのライセンス費用の変遷については、以下の記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。

関連記事:FileMakerのライセンス料金の変容

飛行機料金、幼児は無料、11歳までは半額、12歳以上なら100%

なぜなら、グループの全員が、「印刷」や「自動化」などの高度な機能を使うわけではないからです。むしろ、そういう機能を「使わせないユーザー」というのが現在の組織には存在していないでしょうか。

しかし世の中では、ライセンス費用というものは「常に頭数」で課金されるようになっています。使い方に差があるのに「大人料金」とか「子供料金」みたいなことはシステムの世界にはほぼありません。

例えば、飛行機の料金は大体3つに分かれていて、座席を使わない幼児は無料です。座席を使う場合でも11歳までは半額で、12歳以上や大人なら100%です。

シートベルトの着用(出典:ANA)

出典:ANA

この料金体系について、実際のシステムを利用する場合にあてはめて考えてみましょう。

データを見るだけなら無料にしたい

例えば、「データを見るだけの無料ユーザー」というケースはあり得ると思います。典型的な例としては、公開されているWebサイトというものがあります。

一般公開用のWebサイトを閲覧するにあたってライセンス費用がかかるということは一般的にはあまり考えられないと思いますが、FileMakerプラットフォームの世界では見るだけの無料ユーザー、という概念は存在しません。例えば、見込み顧客に予約やアンケート入力をしてもらう場合には、FileMaker WebDirectを利用すれば実現できますが、高額な同時接続ライセンス費用が必要になります。

FileMaker 18 同時接続ライセンス

出典:FileMaker ボリュームライセンス(PDF)

流動的なスタッフは半額が妥当?

次に子供料金、半分ぐらいのライセンス料金を払ってもいいかな、というユーザー層について考えてみます。例えば簡単なCRUD(データの作成、表示、更新、削除)のみに対応したWebアプリというものがあればどうでしょうか。

データを新規で入力したり、更新したりする外部スタッフなどは想像しやすいと思います。協力会社や流動的なスタッフは、正社員や管理者とは違って、一方的な入力や一方的な表示で済むことが多いのではないかと思います。

高度な印刷や高度なスクリプト機能などを使えないように機能制限するということは、むしろそのようなスタッフに対しては意味がありますし、機能が制限されるのであればシステムのコストは安くなってしかるべきではないか、と思います。

フルライセンスが必要な高度なユーザーがどれだけいるのか

最後に大人料金。これはFileMakerのフル機能を使えるユーザーです。当然ですが、FileMakerのライセンス料金を普通に支払って全く問題がない、そのようなユーザー層になります。常勤の社員さんは印刷や自動処理などを使い慣れた、今使っているFileMaker Proで高度に使いこなせばいいのではないでしょうか。